分子構造解析部

研究部概要

分子構造解析部では、主として核磁気共鳴(NMR)、質量分析 (MS) あるいは単結晶X 線回折などの分析手法を用いて様々な生物活性物質あるいはその誘導体、合成化合物の構造解析を行っている。

また創薬の標的となりうる生命現象について、構造生物学的手法を用いて分子レベルでのメカニズム解明を行なうとともに、その現象を制御する生物活性物質と標的蛋白質との複合体の構造解析を行い、より活性の強い薬剤設計のための基礎を作る。

テーマ

1. 微生物代謝物のメタボローム解析

微生物由来の二次代謝産物は、構造的・作用的に多種多様で化合物の宝庫と言われ、多くの生物活性物質が同定されている。一方でこれまで長年にわたる生理活性物質の探索においてきわめて多くの種類の物質が発見されてきたことから、従来の研究手法による新規活性物質の発見は非常に困難となってきている。我々は高精度LTQ Orbitrap LC-MS を駆使する微生物培養液中のターゲット・ノンターゲットスクリーニング分析を推進し、既知物質迅速同定およびそれに基づいた効率的な新規生理活性物質の探索に取り組んでいる。

Fig.1 JEOL ECZ600R
Fig.1 JEOL ECZ600R
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Fig.2 Bruker AVANCE III HD 400
Fig.2 Bruker AVANCE III HD 400
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Thermo Fig.3 Bruker AVANCE III 500
Fig.3 Bruker AVANCE III 500
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Fig.4 Thermo Fisher Scientific LTQ Orbitrap
Thermo Fisher Scientific LTQ Orbitrap
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Fig.5 Shimadzu AXIMA TOF2
Fig.5 Shimadzu AXIMA TOF2
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2. オートファジーの構造生物学的研究

オートファジーは真核生物に普遍的に保存された細胞内分解システムである。オートファジーは様々な生理機能を担っており、その異常は神経変性疾患やがんなど重篤な疾病をもたらす。オートファジーは二重膜構造体オートファゴソームの新生を介して分解対象を隔離し、分解の場であるリソソームへと輸送することで分解を行う。オートファジーを担う因子として40種類以上のAtg 蛋白質が同定されているが、それらAtg 蛋白質がどのような機能を担うことでオートファジーが進行するのか、詳細な分子機構は不明である。我々はAtg 蛋白質群の網羅的構造解析を行い、立体構造に基づいた機能解析を行うことで、オートファジーの基本的分子機構の解明を進めている。また得られた構造機能情報に基づき、オートファジーを制御する薬剤の開発も進めている。

Fig.6 これまでに構造決定に成功した Atg 蛋白質群の立体構造
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3. 薬剤-標的タンパク質複合体の構造解析

当研究所で発見された生理活性物質について、その標的蛋白質との複合体のX 線結晶構造解析を進めている。得られた複合体の構造情報に基づき、生理活性物質の作用機序の解明およびより親和性の高い化合物の設計を行っている。現在、抗MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)薬とその標的蛋白質であるDNA gyrase およびDNA との三者複合体のX 線結晶構造解析に取り組んでいる。

Fig.7 Rigaku VariMaX with RAPID
Fig.7 Rigaku VariMaX with RAPID
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Fig.8 RIBM Nano Explorer High-Speed Atomic Force Microscopy
Fig.8 RIBM Nano Explorer
High-Speed Atomic Force Microscopy

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