生物系研究部沼津支所

研究概要

沼津支所は、主に「がん」を研究の対象として、がんの病態を分子レベルで解析することで新たな治療標的および治療法の開発を目指しています。また、それらの研究成果から実験系を構築し、放線菌やカビなどの培養液から生物活性物質を探索することで新しい抗がん剤の創薬基礎研究を行っています。

一方、微生物の環境分野への応用や新たな微生物ソースとして冬虫夏草などから昆虫病原糸状菌の分離を行っています。

メンバー

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    支所長 川田 学

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    主席研究員 安達 勇光

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    主席研究員 百瀬 功

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    主任研究員 坂本 修一

メンバー総数 14名

テーマ

  1. がん分子標的治療薬の探索
  2. 冬虫夏草・昆虫病原糸状菌からの生理活性物質の探索
  3. 環境浄化への微生物の適用
  4. 抗肺Mycobacterium avium complex (MAC)症薬の合成的探索研究

テーマ概要

1. がん分子標的治療薬の探索

がん細胞は分子レベルで正常細胞とは異なる特徴を持っています。また、腫瘍は正常組織には見られない性質を持つことも知られています。私たちはこのようながんに特徴的な性質を標的とした薬剤を探索しています。

ZOOM
がん分子標的治療薬の探索

2. 冬虫夏草・昆虫病原糸状菌からの生理活性物質の探索

我々は、新しい医薬探索源として冬虫夏草を含む昆虫病原糸状菌の収集・分離を行っています。昆虫病原糸状菌は、昆虫への寄生、増殖、殺虫といったライフサイクルの中で様々な生理活性物質を生産していると考えられています。それらの生理活性物質はユニークな構造・機能を有し、医薬品の種化合物として有用であると期待されています。我々は、抗がん剤を中心に生理活性物質の探索を行っており、さらに菌の代謝産物の多様性を拡げるため二次代謝の活性化の検討を行っています。

冬虫夏草・昆虫病原糸状菌からの生理活性物質の探索

3. 環境浄化への微生物の適用

ZOOM
環境浄化への微生物の適用

4. 抗肺Mycobacterium avium complex (MAC)症薬の合成的探索研究

肺MAC症は非結核性抗酸菌感染症の一種であり、近年本邦においても患者数が急激に増加している。現在の肺MAC症の標準治療では治療の難航が散見され、完治しても再発する可能性が高く、さらに副作用で治療が中止されるケースも多い。同じ抗酸菌感染症である結核が標準治療により高い確率で完治することを考慮すると、肺MAC症の標準治療は万全とは言い難く、新たな治療法の確立が求められている。一方、当研究所では天然物を創薬資源としてシーズ化合物の探索を行っており、天然物の持つ有効性を合成化学の技術で拡張し、優れた医薬品として世に送り出してきた。我々の天然物創薬の力を駆使し、生物活性天然物を母体とした構造活性相関により、新たな作用機序を有する抗肺MAC症薬の探索を行っている。